【ブロマガ】ナチスは見た目が八割【ヤマギシ06】
お早うございます。今日は。今晩は。
貴方のお耳のww2担当、絵を描くラインメタルMG42。ヤマギシ06でございます。
「迫真美大落ち」という言葉を聞いたことは有りますか諸兄姉。日本のネットスラングでウィーン美術大学校を不合格になったアドルフ・ヒトラーを嘲った言葉です。
自分も絵を描く人間なので、ヒトラーの当時の作品を何枚か見たことがあるのですが決して下手ではない。まあ飛び抜けて上手くもありませんが、「美大受験者」としては十分な実力を持っています。ではなぜ不合格になったのか。諸説あるのですが、「人体デッサンを嫌ったから」という説があります。
ここで美術史の話になります。
当時ヨーロッパ美術アカデミー各位は写実主義を第一に挙げていました。「美しい裸体女性の油絵」と言われて真っ先に思い浮かぶような。正確で緻密かつ理想の美しさを追い求めた、人体の美しさを主題にした作風です。
ゴッホを始めとした印象派はようやっと市民権を得…得……まだ得てねえな。
兎角「デザイン」という言葉がまだ一般的でなかった時代だと思ってください。
ひっとれるおじさんは典型的なデザイナーです。人体や自然の美しさより「人工物の美しさ」に惚れ込み建物の絵を沢山残しています。直線的でシンプル。端的な色使い。
それが美術アカデミーには受けなかった。
実力はありました。例えばSSマークは彼のデザインです。あれ凄くないですか発想が。当時デザイン学科とか会ったら余裕で合格ですよ。まあそんなもの無いのですが。(なお彼は建築家になろうと頑張ってた時期もありました。やっぱり挫折してます。独裁者以外ではパッとしない一点突破おじさんでした。)
タラレバモシを並べたところで需要と供給が成り立たなかったひっとれるおじさんは画家になれなかった訳ですが…結局表層的カッコよさと美術大学は関係が無かった。
題名に戻りましょう。
ナチスは見た目が8割。
アドルフ・ヒトラーという男はそれまで市民権が脆弱だった「デザイナー」というものを多数雇用したのです。
ヨーゼフ・ゲッペルスというプロパガンダマシーンを使い絶対的な支配者を演出します。
ナチ政権は決して政権として優秀な国家ではありませんでした。ヒトラーは各種漫画映画で描かれるような絶対的支配者ではありませんでしたし(ここら辺も今度ブロマガに書きますね)国家的強さはたかが知れていました。
彼らのイメージ戦略が現行のナチスの強者イメージを今でも支えている所でコマーシャルの恐ろしい力を感じます
また、
ファッションデザイナー、ココ・シャネル
女性映画演出家、レニ・リーフェンシュタール
と言った女性の大変優秀な芸術家を多数抱え込み取り上げました。
様々な理由があるので一概に褒められたことではありませんが、トップが「デザイン」を重視していなければこの政策は行われなかったのです。
ナチスの行った残虐非道は歴史的に見ると珍しいものではありません。(※誤解しないでいただきたいのですがありふれているだけで残虐非道ではあります)
それでも彼らが絶対悪になっているのは記号的分かりやすさもあるのです
戦争には芸術も必要ということで今日は濃いめのカルピスをみなさんにご馳走しようと思います。